バラモス (Baramos)

バラモス (Baramos)
ネクロゴンドに居城を構え、世界を支配しようとする魔王。プテラノドンのような顔をしている。ゲーム中盤(表の世界攻略時)までは諸悪の根源として扱われているが、実際には大魔王であるゾーマの配下の1人にすぎない。しかしゾーマの存在はバラモスを倒すまで表には出ないうえ、世界のさまざまな場所で恐怖の対象となっており、また魔王の名に恥じず表の世界に登場するモンスターとしては圧倒的な戦闘力を誇る敵として君臨する。後述の「バラモスブロス」「バラモスゾンビ」は、名称から前者は兄弟、後者は本人がゾンビ化したものと思われるが、リメイク版のみ現れる雑魚モンスターの「バラモスエビル」との関係は不明。
後に『モンスターズ』シリーズや『モンスターバトルロード』、『ドラゴンクエストIX』などで再登場している。
テレビアニメ『ドラゴンクエスト』(アベル伝説)に同名のキャラクターが登場するが、容姿や設定が大きく異なっている。余談だが、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』にはバラモスに風貌が似ている『ピアノ』というキャラクターがいる。
やまたのおろち (Orochi)
ジパングの洞窟に潜む竜の魔物。『日本書紀』と『古事記』に登場する「ヤマタノオロチ」にちなんで「やまた」と名が付くが、モンスターデザインでは首は5つであり、怪獣映画のキングギドラに似たデザインである(ただし翼はない)。ヒミコを殺した(リメイク版では井戸のすごろく場に幽閉)後に彼女に成りすまし、若い女性をいけにえに差し出すよう強要してジパングの住民を苦しめている。炎を吐いたり複数回の攻撃を仕掛ける。GBC版では隠しダンジョンで雑魚モンスターとして出現するほか、「あやしいかげ」として出現することもある。
ボストロール (Boss Troll)
暴君へと豹変したサマンオサ王の真の姿。本物のサマンオサ王を地下牢に幽閉し、変化の杖で国王に成りすました。城に来た者を地下牢に幽閉したり、異を唱えた国民を処刑するなど暴虐の限りを尽くす。高い攻撃力に加え、リメイク版では「ルカナン」と2回攻撃が追加されて全員の守備力を下げようとする。また、痛恨の一撃を繰り出す確率が高め。SFC版ではサマンオサ城のみの登場だが、GBC版ではクリア後の隠しダンジョンにて再登場する。その後のシリーズでは『ドラゴンクエストVI』『VIII』などで雑魚モンスターとして登場し、作品によっては主人公の仲間に加わったり、物語に関わっていたりと何かと出番が多い。また、このサマンオサおよび上記のジパングの「モンスターが王様やその他の権力者(大臣など)と入れ替わって暴虐・悪政を行う」というシナリオは、のちの「アニメ版ドラゴンクエスト」や『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』でも取り入れられている。
キングヒドラ (King Hydra)
ゾーマの手下の一体である魔物で、グラフィックデータは上述のやまたのおろちの色違い。ゾーマの城でオルテガと戦い、息子(娘)の目の前で彼の命を奪う[注 13]。リメイク版では隠しダンジョンで雑魚モンスターとして出現する。
バラモスブロス(Baramos Bomos)
ゾーマの手下の魔物の一角で、名前の通りバラモスの色違いである同属モンスター。「ブロス」は「Brothers」の短縮形「Bros.」と思われ、容姿からもバラモスの双子の兄弟か、それに近い存在と推測できる。
『バトルロードIIレジェンド』の「レジェンドクエスト」ではバラモスブロス「魔王」の肩書きを与えられており、バラモスゾンビとドラゴンを従えて立ちはだかる。
バラモスゾンビ(Baramos Gonus)
ゾーマの手下の魔物の一角。設定上ではその名の通りバラモスがゾンビになって白骨化して復活したもので、リメイク版で追加されたバラモスの死に際の言葉からもそれが窺える。しかし、バラモスゾンビのグラフィックデータは雑魚モンスターのスカルゴン、ドラゴンゾンビの単なる色違いとなっている。(バラモスは頭部の角が1本なのに対し、この種族は2本ある。バラモスには無い羽根が生えている等)後に本作の遠くない時代が舞台の漫画『ドラゴンクエスト ロトの紋章』にも登場し、その時の姿は生前のバラモスの骨格を忠実に再現したデザインとなっている。
ゾーマ (Zoma)
アレフガルドを闇に閉ざした大魔王であり、本作の最終ボスである。「全てを滅ぼす者」を自称し、人々の死や苦しみを無上の喜びとする。ゲーム中盤まではバラモスが最終ボスであるものとして話が展開するが、後にバラモスもゾーマの手下の1人にすぎないことが明らかになる。強大な闇の力のバリア「闇の衣」を身にまとっており、ある特定のアイテムの力によりはぎ取ることができる。闇の衣をはぎ取らなくとも倒すことは可能だが、闇の衣をまとった状態のゾーマははぎ取られた後とでは比較にならないほどの強さを誇る。闇の衣をはぎ取ると薬草やHP回復系呪文によってダメージを受けるという特殊な性質を持つ[注 14]。後の作品のボスなどが使うこととなる「いてつく波動」をシリーズで初めて使用したキャラクターである(リメイク版以降は兜にある目玉から放つ)。リメイク版では、闇の衣をはぎ取る前とはぎ取った後のカラーパターンがFC版とは逆になっている。(FC版:フルカラーから青基調に、リメイク版:青基調からフルカラーに)。
バラモスや他の魔王と同様に、後に『モンスターズ』シリーズや『モンスターバトルロード』、『IX』などで再登場している。また、原作およびイラスト、設定画では4本指なのだが、『IX』など近年の作品で再登場の際は5本指となっている。なお、『IX』のモンスター図鑑では「愚かな僕に嫌気がさして地上を捨てた」と書かれているが、原作でバラモス(ゾンビ)、キングヒドラバラモスブロスを無能扱いしていた様子は無い。
鳥山明のイラストではゾーマの変身後とされるモンスターが描かれていた[13]のだが、ゲームに登場することはなかった。後の作品では、『モンスターズ2』では「アスラゾーマ(顔が三つ目になり、巨大な鎌を携えている。阿修羅を髣髴とさせる名前だが、外見は特に似ていない)」、『バトルロードII』では「真ゾーマ(外見はほぼ同じだが目が赤く輝いており、能力が格段に向上している)」というオリジナルの強化形態が登場している。なお、原作のゾーマは“凍てつく”波動や最強の氷呪文マヒャドなど冷気攻撃を得意とするのだが、『バトルロード』では火炎攻撃も得意としている。