透明人間ははたして可能か?

透明人間ははたして可能か?
もし、透明になれたならば、完全犯罪目白押し、なんでも出来てしまいます。
無賃乗車、空き巣、覗き……(全て犯罪です)。
しかし、この透明人間、はたして科学的に可能なんでしょうか?
実は透明人間は実際に出来るのです。
ただ、現在の科学技術(と言うより、どちらかと言うと医学)では不可能なだけなのです。
透明人間のなり方は、まず、体の色素をすべて抜きます。
そうすると、骨と血液、髪の毛だけになります(見た場合)。
そのあと、毛という毛をそります。
そして、全ての骨を、「骨と同じ強度があり、屈折率が色素を抜いた体と同じである物質」と入れ替えます。
「屈折率」とは、光の曲がり具合のこと。
空気中から水中へ光が入ると、光はカクンと折れ曲がります。
これがどのぐらい折れ曲がるかと言うのが、屈折率です。
色素を抜いた体と屈折率が同じと言う事は、色素を抜いた体から、その物質に入っても、光が曲がらない、と言う意味です。
次に、血液をイカの血と入れ替えます。
これは、イカの血が、空気と屈折率がほぼ同じ(つまり、透明)だからです。
そうすれば、はれて透明人間となれます。
しかし、実際には「透明」とは言い切れません。
体の色素を抜いて、血液を全てイカの血にしても、まだ微妙に見えてしまうのです。
ですが、空気中ではなく、水に入ると透明になります。
ただし、目も透明にしてあるため、物が見えなくなります。
物が見えるのは、目の網膜が光を受けるため。
しかし、透明になると光が貫通してしまうため、光をとらえる事が出来なくなってしまうのです。
透明人間になっても物が見たければ、せめて角膜と網膜だけは残しておきたいところ。
しかしそうすると、なにやら奇妙なフニャフニャの物体が、目線の高さに浮く事になり、
おそらく、異様な光景となることでしょう。
ちなみに、「透明」とは、空気との屈折率が0.05以下の状態の事を言います。